12 29, 2002
新型 Zaurus SL-C700 で、MovableType Entry


先日発表したばかりの(?)私的 eGadget Awards 2002 が、わずか一週間で大番狂わせとなってしまった。PDA 部門は CLIE PEG NX-70V が多機能で圧勝・ぶっちぎり1位の雰囲気だったのだが、Note PC をそのまま小さくした様な形の Zaurus SL-C700 は、想像を超える秀逸なモバイル端末だった。手のひらからの MovableType の Blog Entry。やっとこの端末で夢が現実になる。しかも、かなり実用的なかたちで。Sharp の PDA 開発者の方々の熱意が伝わる素晴らしい PDA だ。


そもそもの発端は、今日午前中の Web Browsing。Zaurus SL-C700 関連のレビュー記事をついつい読んでしまったことだ。Zaurus の現物は、実はこの記事を読む前に新宿のビッグカメラの店頭で、発売直後に試してみていて、その時の第一印象はそれほどインパクトのあるものではなかった。キーボードがブラインドタッチできる様なものなのでは、という期待があって現物を見に行ったのだが、そうではなくどちらかというと親指2本オペレーションの、いわゆる HP 打ちに適したキーボードだとわかって、それだけで興味が薄れてしまっていたのだ。

しかし、レビュー記事には、通信機能の利点なども書かれていて、もう一度現物を確かめることにした。場所は、新宿ビックカメラの PDA 売り場。新型 Zaurus は12月半ばの発売と同時に売り切れで、やはりここにも在庫は無かったが、現物は触って確かめることが出来た。詳細な Hardware / Software の評価は前述記事の山田氏及び塩田氏の Review 記事が真実を突いているのでそちらを参照頂き度いが、再度実機を試して、その動作速度には、ほぉ、と感心した。アプリケーションの切り替え、起動速度には Linux OS チューニングの問題なのかちょっともたつきがあるが、アプリが一旦立ち上がると処理速度はなかなかだ。Intel XScale (PXA 250 400MHz) の本領が発揮されている PDA だと見直した。CLIE NX-70V にも同じ CPU の XScale PXA 250 が入っているが、こちらは 200MHz。しかも、Palm OS5 Applications はまだ Native Code で動いていない、Emulation Mode ということもあって、200MHz の恩恵も充分感じられない部分があった。


CLIE で特に残念だったのは、Access の NetFront Browser での Web Browsing が期待よりは快適ではなかったこと。Air H" 128K カードを試したり、Sony 純正の Wireless LAN card で無線 LAN 接続をしたりとアクセス側のスピードアップもいろいろ試してみたが、OS / CPU のためか、少ないメイン・メモリ容量のせいか、サクサク動作、とまではいかなかった。MovableType の Entry 画面も、うまく動作しなかった。所詮は PDA、Notebook PC ほどの処理能力は望めないし、仕方ないかと割り切っていたが、PDA から快適に Web Browsing を行い、出来れば Blog Entry も行い度いという潜在的な希望はずっと捨てきれずにいた。

PXA 250 400MHz + Linux OS の新型ザウルス。山田氏の Report で通信環境についてはそれほど詳細には触れられていなかったが、ふとこの端末で、CLIE で果たせなかった夢をなんとか出来ないか、試してみたくなった。PDA Mobile Blogging。その気持ちが高まると、情報エンゲル係数はレッドゾーンを超え、はっと気がつくとヨドバシカメラに数個あった新着在庫を抱えて帰路についている自分が居た。冷静に考えると会社の Group Scheduler には Palm OS か PocketPC (Windowws CE) 対応の PDA でなければシンクも出来ないというのに、PDA Mobile Blogging を試したいという一心から会社のシステムとはシンクできない和製端末、Zaurus を手に入れてしまっていた。


早速家で通信セッティング開始。思えば、Zaurus の初代機でかつては PDA の面白さにのめりこんだのだが、最近は Palm or WinCE 機の躍進で、Zaurus からはとんと離れていた。久しぶりに手にした Zaurusはしかし、電子手帳とはもう呼べない進化を遂げていて、PDA というよりは、Mini-Mini Note PC と呼ぶ方がふさわしいものだった。長さは CLIE よりやや短い程度、横幅、厚みは CLIE よりちょっと大きい。しかし、プラスチック外装だが高級感のある素材を使っていて、中身がぎっしりとつまっている様な質量を感じる。PDA 初の VGA 表示が可能な液晶の美しさにまず、驚かされる。CLIE のハイレゾ液晶も素晴らしかったが、新型 Zaurus はそれをしのぐ発色とコントラストを見せる。JPEG 写真を表示させると、Note PC で見ているのとそれほど変わらないクオリティを感じることが出来る。VGAによる表示情報量も、この手の携帯端末としては驚異的と言える。

Card Slot は SD と CF の2基。CF 側に、128K の AirH" Card を差し込んで、通信環境設定。このあたりは、マニュアルを読まずに行える、良いインターフェースだ。メーカーが、ユーザー本位のソフト作りをしている姿勢も感じられる。あっと言う間に設定完了し、動かしてみる。う、む?Mailer は独自のものだが、読み込み速度が早い。すっすと読み込むそのスピードは、CLIE Mail の動作を凌駕している。

NetFront Browser を立ち上げると、これもまた、CLIE と比較し3-4倍のきびきびとした動作を見せる。横長で VGA 表示の液晶画面なので、Web のレイアウトの収まりもいい。縦長の画面にむりやり加工して表示させたCLIE とは違った、Note PC のミニチュア的な Zaurus 上で動く NetFront は、より安定していてサクサク、だ。

Blog の画面をいくつか表示してみると、データ量の多さから CLIE では表示エラーになった様なリッチ・コンテンツを多く含む Blog でも、さっと表示出来る。これでまず、一次試験は合格。Blog Viewing PDA として充分機能することは、わかった。


そして二次試験は、MovableType の Zaurus からの直接エントリー。これに就いては、正直あまり期待して居らず、CLIE 同様 Comment のエントリーが出来る程度だろうな、とタカをくくっていた。すると!嬉しい驚き。Entry の画面がきちんと表示され、各ボタンもちゃんと動作する。Pop-up Window 表示はさすがに処理能力の小さな PDA 、というか、恐らく NetFront の機能的限界で複数画面表示は出来ないが、別画面に移動して、ファイルのアップロードも問題無く行えるのには正直びっくりした。SD Card 上にデジカメで撮影した写真を入れておいて、200KB ぐらいのファイルサイズの写真を Upload してみたのだが、128K H" の力もあってか、エラーを起すこともなくスムースに作業を完了出来た。

最新型の CLIE でも Blog Entry が出来ないことがわかって、Mobile Blogging には小さな Note PC を持ち歩かねばならないかな、でもミニ Note PC でも電池とあわせて 1KG にはなるし常時携帯は結構大変だ...カメラつき携帯電話から Moblog するしかないか...と考えていたので、フルに MovableType のエントリーが出来る新型 Zaurus の出現は、全く嬉しい誤算、だった。

2002年の Mobile Blogging PDA 部門第一位の栄冠は、年末ぎりぎりで、Zaurus SL-C700 の頭上に輝いた。Mobile Blogging を目指される方は、お試しを。(ただし、液晶サイズから、表示されるフォントサイズはかなり小さいので、目が悪い方にはきついかもしれないです。店頭でお試しのほど。)

Posted by minami at 12 29, 2002 11:13 PM