2 04, 2003
12 インチ Powerbook vs 東芝 dynabook C7

週末新宿に出かけたのは、先週末から店頭に並び始めた 12 インチ Powerbook の視察が目的だった。オールインワンでありながら、コンパクトな筐体。G4 プロセッサの搭載。Macworld SFC での発表以来、発売前から日本国内でも熱い注目を集めていた機種で、新宿のソフマップでは既に完売、予約のみ受け付け。しかし、新宿西口のビックカメラでは、当日持ち帰り可能な在庫があるのを発見した。Apple への Switch、あと背中を一押しされたら、というところまで来ていた。しかし2月1日土曜は、新デザインの東芝 dynabook c7 の発売日でもあったのだ。新宿のカメラ店店頭で実物を触っての、徹底比較。

この評価記事にもあるとおり、dynabook c7 の筐体は、一見して、Apple iBook のデザインの模倣、に見える。iBook ユーザー(先日来日した、Ben と Mena もそうだった。二人仲良く並んで、白い iBook を使っている姿は微笑ましかった。)からはいろいろ文句もあることだろう。

以上から、同じサイズとはいえ、銀色でややデザインが違う新型12インチ Powerbook との直接比較はちょっと違うのかもしれないが、発売時期や価格帯、スペックから、この2台を比較して、Windows 環境に留まるべきか、思い切って Mac に Switch (あるいは帰還)すべきか、悩む人も多いかもしれない。

Windows Note PC といえば、これまでは単純に性能(CPU スペックやモバイル環境での使い勝手)と価格(コストパフォーマンス)で評価して、購入機種を決定すれば良かったのだが、Sony Vaio が筐体デザインの優劣という新たな評価軸を持ち込んで、選択肢が豊かに広がった。一方、東芝はそういう新しい流れの中でも、性能と価格に勝負の土俵を見出して、質実剛健な Note PC 作りに邁進してきた印象があった。

その東芝から、唐突に発表された、デザインを強化した Note PC が、この c7だった。Web 経由前情報は得ていたが、僕自身も本物を見るまでは、「どーせ iBook のデザインのマネでしょ。」位にしか思っていなかった。しかし、本モノを見て、触って考えを改めた。外観は確かに似ているが、それだけに終わらない、Windows Note PC としての完成度。上質な質感。純白に見えて実はシルバーがかった、微妙なメタリック系白色ボディ。東芝らしい、堅牢な作りの幅広キーボード。

電池の持ちはカタログでは 4.2 時間とこのクラスでは特筆ものの長時間駆動で、最上位機種のC7/212PMEWモデルは、802.11b の Wireless LAN / Bluetooth などの無線接続機能も標準装備。(Apple Powerbook では、無線 LAN カードは別途追加購入が必要。)

そして、12インチ Powerbook には無い PCMCIA スロット2基が装備され、東芝らしく SD メモリーカード・専用スロットが備わっている。USB も 2.0 まで対応する端子が4基装備されている。音量調整も、すばやく操作しやすいアナログのダイヤルが左側面手前にある。液晶画面も光沢感があり、輝度の高い、いまや日本の PC メーカーのお家芸ともいえる美しい 12.1 インチ液晶。なかなか、ニクイ出来なのだ。好き嫌いは分かれるかもしれないが、DVD などの映画を見るにも、この液晶の良さは魅力的、だ。

ビジネス・ユーザーにはどうしても現状必要となってしまう MS Office も、PowerPoint の無い Personal 版だが、プリインストールだし、CPU も必要十分な Mobile Pentium III の 1.2 GHz。こういったことを総合的に見ていくと、Powerbook / iBook キラーとしての要素が十分備わっていることが、理解できてしまう。こうした性能面の充実や低価格に加えて、 Windows PC の最大の欠点であり Apple の専売特許だった、繊細で美しい hardware デザインまで、手に入れてしまった dynabook c7。このマシンの存在があったために、僕の Macintosh Switch 計画はぎりぎりで頓挫してしまった。

これまで使っていた Sony Vaio SRX-3E/BD と Switch することに、最終決定。

面倒なソフトウェア環境移行を週末で済ませて、本日より本格的に利用開始。結果、非常~に満足。今まで Celeron 650MHz を使っていた自分には、1.2 GHz Mobile Pentium IIIは強烈に高速に感じられ、体感的には ADSL での Web アクセスなどは3-4倍以上になった。グラフィックチップも良いのだろう。

起動時の上品な起動音と、オレンジから青に変わるメインスイッチのイルミネーション(これも Apple のぱくりだな....)も、何気ないアクセントだが、美しい。Mac 環境へ移行するのもきっと楽しかっただろうが、米国で Mac から Windows に移行して以来築いてきたソフト資産は、あまりにも大きく、そしてこの c7 の出来があまりに良すぎたことが、その移行を最終的に阻んだ。

iBook のマネ、のそしりを、Mac ユーザーから受けることは逃れられないマシンではあるが、使ってみると、それ以上に東芝の、Note PC 老舗メーカーとしての復活に賭ける強い意志を感じることが出来るマシンでもある。

個人用 Notebook PC の先駆けとなった Dynabook SS001 は、1980年代の終わりに、19万8千円という当時では驚くべき20万円を切る低価格で、携行可能な小型サイズで発売され、Mobile 先進ユーザーに大歓迎された。当時、初の海外駐在が決まった自分は、SS001 とともに海の向こうから、加入したばかりの NiftyServe でメールや掲示板をフル活用、国外からも日本の最新情報を入手可能なネット時代の到来を痛感した。Dynabook は、その後の Note PC のデザイン全てに強い影響力を及ぼしている。

Note PC 市場開発のパイオニアであり、その後何年も Note PC 世界シェア No. 1 に君臨した東芝が、今回は人気の Apple iBook のデザインを模倣した、というのは、衝撃的な事実であり議論も呼ぶだろうが、名門復活へ向けたなりふりかまわぬ宣戦布告、でもあると、僕は受け止めている。ユーザーにとってメリットをもたらすこうした戦いは、どんどん続けて欲しい。

ともかく、今回の新しい dynabook c7 、是非一度店頭で触って頂くことを、おすすめする。MovableType のエントリ画面デザインと、c7 の白色ボディや青色イルミネーションの調和が、これまた絶妙。

Posted by minami at 2 04, 2003 01:24 AM