3 22, 2003
Canon IXY Digital 400 の魅力

IXY 400 photo.jpg私は、PDA やデジカメを、普通の人の数倍の速度で更新している。更新するのは理由があり、その為の戦略もある。

まず理由だが、ともかくこの領域は、技術革新が総じてスピーディな IT 機器の中でも、飛びぬけて進みが急であること。3ヵ月後に、自分が買ったばかりの新製品のコスト・パフォーマンス(価格性能比)が50%ダウンすることなどもザラである。機器を固定すればする程、陳腐化リスクは高まる。かといって異常なまでの機器更新頻度を完全正当化するのは無理有りと自分でも感じるが、PC などと比べると更新し易い価格帯の商品であり、転売し易い商品であるという点も、重要である。PC は高価だし、時間をかけて自分の使い易い環境設定、アプリケーション設定等をしてしまうとなかなか更新し難い。しかし、PDA の場合は、転売の際には本体はリセットし、新機種導入後は元のデータを PC でシンクしてやるだけでいい。デジカメなどは、もともとデータを本体に長期蓄積するものではないので、それすら必要が無い。こうした点が、あるサイクルでの更新を促すことになる。

そして、その更新をスムーズにする為の予算戦略。こちらも重要だ。更新効果に見合う投資戦略が必要となる。シンプルに言うと、新品を定価の7割引程度で購入し、定価の5割に近づくかやや割り込んだ時点で転売する、という方法になる。つまり、コスト負担は差し引き定価の約2割。もちろん、消費税などを含めるともう少し複雑になるが、ざっとそんな具合である。負担2割なので、同じ価格帯の商品の購入・売却を続けた場合、約5台で、新品定価1台分のコスト負担になる。この方法を継続すると、常に最新・高性能な製品を利用できる訳だ。ただ、この方法を続けるには、売れ筋商品を見極める選択眼も必要。売れ筋商品でなければ、新品発表後の中古買取価格は急速に減ずる。ある程度人気のあるものでなければ、この方法を取ることは出来ない。

さて、前置きが非常に長くなったが、以上の様なある意味過激な eGadget Upgrade を繰り返す中で、時々、うーん、これは自分にとって「定番商品」に限りなく近い、と感じられる商品に出会うことがある。簡単に更新サイクルに放り込む事無く、手に馴染む道具としてしばらく使い続けたい、と思える商品。前に紹介した CLIE TG-50 は PDA としてその感覚にかなり近い商品だったが、デジカメのカテゴリーでも最近、そんな商品に出会った。Canon IXY Digital 400。これはかなりしっくり来ている。

IXY Digital 400 の良いところを説明する前に申し上げて置くが、私はかなり昔からの筋金入りの Canon カメラのファンである。AE-1 から EOS 迄、アナログ一眼レフカメラは Canon 以外を買わず、使わず。アナログ・コンパクトもほぼそうだし、デジカメもほぼ全ての Generation の Canon 製デジカメを使って来た。なので、このレポートにはかなりの Canon 愛好家バイアス、がかかっている。

もともとバランス良く開発されて来た Canon IXY Digital シリーズだが、IXY 400 は最近発売され、シリーズ頂点に立つ 400万画素のコンパクト・デジタル・カメラだ。ホワイト・バランス調整やプラス・マイナス2段の露出補正は出来るが、シャッター優先、絞り優先や完全なマニュアル撮影などはこなせない。あくまで日常を気楽に切り取るフルオート撮影を行う為のカメラだ。

フレーミングや写角には気を使いながら、露出やピントにはあまり気を使わず、それなりに仕上がりの良い写真を撮影出来ることが期待される、そういう位置づけのカメラ。今回の IXY 400 は、それをある一定の合格点以上にこなしてしまう優等生コンパクトと感じられる。

基本的なレビューは、スタパ斉藤氏の記事が詳しいので、まずこちらを参照頂き度い。さらに、実際に数日使用してみての自分の評価を追加する。

最近の IXY シリーズで気に入っているポイントとして、暗い場面での撮影時のビーム照射による測距の仕組みと、撮影後の写真のズーミングの素早さがある。これら機能は、IXY 400 でも継承された。測距ビーム光はこれまでのまぶしい白色光から、オレンジ色になり、それもアクセントとなっていて良いが、マクロ撮影でこれを利用すると、サーボモータの様にレンズが駆動するのがわかり、正確な測距が行われるのがわかる。以前と比較し、暗い場面での測距にちょっと時間がかかる様にも思われるのだが、ピント精度は上がっているのではないだろうか。

撮影後の画像再生時のズーム機能も、映像エンジンによる超高速画像処理のおかげか、気持ち良いズーミングスピードだ。これまで使っていた IXY 200a でもその再生ズームの速さは実感していたが、処理が重く無い200万画素だからだろう、程度に考えていた。しかし、400万画素でも、その速度は変わらない。10倍ズーミングで、撮影後の高精細画像の部分部分をカメラ本体内で確認可能となる、このズーム機能は非常に便利で楽しい。液晶はこれまでと同じサイズの 1.5 インチだが、このズーム機能のおかげで実際のサイズ以上に、本体の液晶も活用出来る。

上位機種と同等の、1/1.8 型 CCD がおごられたので、画質も単なるスナップ以上の仕上がり。露出補正などを行うと、補正効果がきちんと反映されて、夜間の撮影でもノイズが出ずにしゃきっとした写真を撮影することが可能だった。今後 Blog にアップロードする写真はほぼ IXY 400 で撮影したものになるので、その効果のほどは実際に写真を見て頂く方が良いだろう。撮影サンプルは、Canon の Web にもあるので参照されたい。400 万画素の 1/1.8 インチ CCD は、最近の Canon のこだわりが反映された CCD だ。他社上位機種は多くが 1/2.7 インチの500万画素 CCD に移行する中、この CCD が今は一番バランスが取れている、として、最上位機種の G3 ですら、この CCD を利用している。そして、それが正しい選択だったことは、多くの辛口カメラ専門誌が G3 の画質を絶賛したことで証明された。IXY 400 は、その系譜の CCD を受け継いでいる。

これまでは上位機種の機能だった、マイカメラ機能、も導入された。これはオマケ機能的位置づけだが、シャッター音やセルフタイマー音、起動音や操作音を、Canon の Web に多く掲載された音源からダウンロードし、自由に変更出来るもの。ちなみに「ラーメン」音源セットを導入してみたが、起動音は「へいらっしゃい」操作音は「チャーシュウ!」、セルフタイマーは「麺をすする音(西洋人には聞かせられません)」、シャッター音は「うまい!」となる。旨そうなラーメン画像とともに、「へいいらっしゃい」と小さいなデジカメが起動すると、思わず苦笑してしまう。騒がしいが、ユーモアをきかせたい時には愉快な機能だ。祭りの音、子犬・子猫の声、南国の音、結婚式のテーマ、シチュエーションに合わせて何でもある。

某家電メーカーとは違って、レガシーの周辺機器をそのまま使えるのも、キャノンらしい。アナログ一眼レフの EOS シリーズでも、過去に購入したフラッシュやら周辺オプションを新機種で使えるケースが多かったが、バッテリーやメモリ、本体接続して使うプリンターなど、全て流用可能だ。このあたりのユーザーへの配慮は評価出来る。本当は SD Card などメモリー媒体を変えればかなり本体小型化も図れるはずだが、あえて価格性能比が現在抜群な CF カードにこだわっているのも、Canon らしい結論だ。大きさも、これ以上小さくすると手ぶれが増える、といった判断なのだろうか。比較的大きな手の私にも、しっくり馴染むサイズだ。

唯一気になっていた、IXY 200a で愛用してきた、シリコン製ボディ・ジャケットが流用出来るかどうか、という問題も、上部にマイク穴、スピーカー穴、背面の機能切り替えスイッチ用穴を新たに開け、横の端子カバー用の穴をちょっと広げてやるだけで解決できた。メインスイッチや十字キーの位置はちょっとずれたが、肝心のレンズや液晶画面位置がずれていないので、大きな問題にはならなかった。ボディ・ジャケットが流用可能なことで、速写性の問題も、解決。

さてさて、IXY Digital 400、今後は Photo Blogging でどう活躍するか。使いこんで行くことにしよう。また、良いデジカメと出会った。

Posted by minami at 3 22, 2003 11:32 PM