5 01, 2003
大型 PDA としての、 VAIO U3

以前のエントリで、数字上のスペック評価だけ行った VAIO PCG-U101 の発売は、結局ゴールデン・ウィーク後に持ち越されてしまった。それでも新宿の量販店の店頭予約はもうかなり入っている様で、発売予定日の5月10日当日に渡せるかどうかはわからない、と各店では告知されている。

スペック的には文句無いマシンだが、約16万円という価格設定は、サブ・ノート PC としてはちょっと手を出しにくいかな、と考えていて、U1 / U3 発売時にそうした如く、店頭では触ってみるものの、実際の購入には至らなかろう、と考えていた。

一方、新機種 U101 の発表により、旧機種の価格がグンと下がった。新品の U1 が 89,800 円、U3 が 99,800 円と、10 万円を切る価格で最近量販店店頭に並んだのである。ポイントが10%付くことを考えると、U3 は実質9万円ちょっとで買える事になる。(もともと在庫が僅少だった両機種だが、一体どこに Sony は在庫を置いていたのだろう???。)こうなると、購買時の比較検討対象は PDA の Windows CE 機あたりに目線が下がって来る。高性能な Win CE 機は、7-8万円の価格設定。大きさ・重さから考えると直接の比較対象では無いのかもしれないが、価格的には十分比較できるレンジに入ってきてしまった。「各種機能をあきらめない大型 PDA」そういう意識で手に入れると、VAIO U3 は U101 発売直前の今でも付加価値を感じることが出来る。発売されて半年たった U3 は多くの製品レビューがなされているので詳細は記述しないが、当方が感じた使い勝手をつらつらと書いてみる。

大型 PDA、と位置付けたのは、今回 VAIO U3 と購買比較対象にしたものが Windows CE 機の CASSIOPEIA E-3000 GENIO e550GD だったから。軽くて持ち運びがし易い Win CE 機は、400MHz の XSCALE プロセッサを得て魅力が高まっているが、PDA であるが故に限られる画面サイズ、機能上妥協しなければならない部分がどうしてもあった。出先で使いたいアプリケーションは、スケジューラ、アドレス帖がまず候補に上がる。この2つは必要な時にさっと見たいので、起動にどうしても数十秒はかかる PC には不利なアプリだ。しかし、電子メール、ブラウザー、MSオフィスのアプリ、JPEG 写真の閲覧とカンタンな加工、そしてブログの入力、となると、最近の高機能 PDA は対応アプリを搭載してはいるものの、PC で普段使っている環境から、どうしても機能的・速度的な妥協を強いられる事になってしまう。軽い本体重量とのバーターと考えれば仕方無い事だが、こうしたアプリの使い勝手の制限から、多くのメーカーから出る各種 PDA の新機種を試しては自分のニーズを満たしきれない事を知り、切り替え続けて来た。

Palm を PDA として常用している自分は、即時性が最も重要なスケジューラとアドレス帖は CLIE TG-50 を引き続き利用するが、それ以外のアプリケーション、特にネットにアクセスの必要が高いアプリケーションを、Mobile 環境では VAIO U3 に頼る事に決め、えいやっ、と U3 を手に入れてしまった。フルスペックの Note PC をこのサイズにも追い求め、Final Fantasy の 3D 画像を Mobile 環境でも見たい!という方には、今や旧機種となってしまった U3 は全くオススメできないが、高機能な PDA 的に利用したい方には、価格的にも入手しやすいレンジに入ったことは喜ばしい。

過去のレビューでも指摘されている通り、Transmeta CPU ベースの本機は、アプリケーション起動時に若干のもたつきがある事は事実。Win XP の OS 起動も、びっくりするほど高速では無い。しかし、アプリが立ち上がってしまうと、サクサクと気持ち良く使える。自分で感じた良い点、残念だった点を以下列記すると、


<U3 の良いところ>

・標準でついてくる S サイズのリチウムイオン電池は、やや変則的に、底面後方部に配置されるが、PC を直立した状態で利用する際、安定的なホールドが可能な突起の役割を果たす。U101 ではフラット底面になって見映えは良くなったが、電車の中等で立って利用する分には、突起がある方が安心して使える部分も。
・環境に応じてネット接続設定の自動切換えを行い、必要なアプリの自動立ち上げや壁紙の変更まで行って、優しい声で切り替えを知らせてくれる SmartNetwork ソフトは、U3 にもバンドルされている。
・電池は U3 でも当初考えていたよりは持つ、という印象。勿論省電設計の Mobile Celeron 利用の U101 よりはかなり劣るが、一日中外出する場合などでも予備電池を持っていればなんとかなる。オフィスと客先を頻繁に往復する様な、AC 電源を時々利用可能な環境の中であれば、2時間強の U3 の電池の持ちは十分実用的と言える。PDA でも継続してネット接続を行うと電池の持ちはかなり悪くなるので、アウトドアで通信を多用する Mobile User には PDAと比較しフルの通信機能を使える VAIO U3 はオススメ出来る。
・会議中にメモをとる時など、普通サイズの NotePC を会議相手の眼前で机に置くと存在感がありすぎて邪魔に感じさせてしまうこともある。超小型の VAIO U3 なら、そのサイズからさりげなく使う事が可能となる。

<U3 でちょいと残念なところ>

・キー配置は、普通の JIS キーボードと違い特殊。特に、右側 SHIFT キーが無かったりするところは、普段使い慣れた PC キーボードとの差異が大きくつらいところがある。超小型のキーのサイズ、HP のキーボード型 WinCE シリーズ機をかつて所有しそのブラインド・タッチも行っていた当方には使い易いが、慣れるまでは間違ってすぐ横のキーを打ってしまうこともあるかもしれない。
・Wireless LAN は、U101 では 802.11b 対応カード内蔵だが、U3 では PCMCIA カードなどで対応する必要がある。(逆に、このカードを余分に持っている方なら、U3 は買い。)
・Mobile 時の CPU パフォーマンスは、U101 にかなり劣る。上部にリンクの、評価記事御参照。
・U101 から付属することになる、メイン PC の特定フォルダと Vaio U のフォルダを自動で同期する、VAIO Synchronizer は U3 には付属しない。(これはなかなか便利な機能のソフトなので、有償でも良いから VAIO U シリーズ旧機種ユーザーへの配布もソニーに検討してもらいたいところだ。)
・予備の専用リチウムイオン充電池の価格は非常に高い。最小の S サイズでも、電池だけで2万円弱。

先週末は比較的豊富に新宿量販店にあった Vaio U3 の在庫は、連休入りとなって減りつつあるかもしれないが、U101 程の高性能を求めないユーザーには、10万円を切った U3 は魅力的な選択肢。気になる方は、店頭でとりあえず実機に触って試されることをオススメしたい。勿論、U101 が連休後出荷され、実物を見ると、U3 の機能でも不足に感じられてしまうことも間違い無いだろうが、それでもいいや、と言う方にのみ、おすすめです。連休で旅行先でも Blog し続けたい、でも重い PC は持ち運びたくない....という Blog 中毒の方にはうってつけ。

とりあえず当方は、非常に満足。ミニチュア・サイズ PC の VAIO U3 の中で、いつも使うソフトがきびきびと動いている様子を見るだけでも、妙に楽しい.....!?。

Posted by minami at 5 01, 2003 07:31 PM