六本木ヒルズのヴァージン・シネマズは、インターネットで席予約が出来る利便性だけでなく、週末は朝4時~5時まで映画上映を行うレイトショーを日本の映画業界の先駆けとして商業化した。そのおかげもあって昨日はマトリックスの先々行ロードショーを深夜に楽しむことが出来た。映画は午前1時にスタート、上映終了は午前3時過ぎ。六本木の交通事情を考えると、これは車の方がいいか、と、最近あまり乗っていなかった自動車を駆ってヒルズに出かけた。
土曜夜12時過ぎにヒルズの駐車場に入る交差点に到着するが、それまで順調に流れていた六本木通りが、ここだけ局所的に深夜でも渋滞。六本木ヒルズの商業活性化の効果は、オープン後2ヶ月経過しても、続いている様だ。そして、森タワー直下のループから四方に分岐する駐車場のうち、ヴァージン・シネマズで指定されている P5 駐車場に向かう。P5 駐車場に着くと、深夜ですいているのに、順番待ちがある。あれれ、と思っていると、エレベーター形式の駐車場なので、入庫に多少の時間がかかっている様だ。
運転者が降りた前の車がエレベータ内に入っていく様子を何気なく見ていると、おお!?車が横に水平移動して行く。最近は自分で運転していなかったので、こういう駐車場は増えているのかもしれないが、良く見かける円形ターンテーブル方式ではなく、タイヤが接地するところに鉄製のコンベアがあり、それが車を横移動で車庫に運び入れるのだとわかった。ちょっと未来的。サンダーバードの格納庫みたいだナ、と思ってしまった。(たとえが古いが。)
六本木の駐車場に採用された最新テクノロジー、真髄はしかし、出庫時に実感した。いや、正確に言えば、家に帰って Web 検索をして初めて、最新技術が導入されていることに後から気付いた、というのが正しいのだが。
駐車場近くの自動精算機で精算を済ませ、駐車券を出口のところでまた入れるのだろうな、と出口ゲートに近づくと、駐車券を出す前にゲートの車止めのバーが、すっと開いた。「あれ、故障しているのかな、でも、精算は済ませたし、まあいいや。ヒルズは開業したてだから、まだ機械調整がうまくいっていないのかな?」そんな軽い気持ちでいたが、なんとなくその出来事が頭にひっかかっていた。そして家に戻ってネット検索をすると、出口ゲートのバーが自動的に跳ね上がった背景には、タイムカード装置開発などで有名なアマノ社の「都市型商業施設駐車場総合管理システム」が実現した、高度な技術が存在していたことがわかった。
詳細はリンクの先の PDF ドキュメントをお読み頂き度いが、要は総計2670台を収容する六本木ヒルズの各駐車場に入庫する自動車は、入口ゲートで駐車券発券を受ける際、ナンバープレートのパターンマッチングが行われ、駐車券と紐付けが行われる。そして出庫時、自動精算機で精算を済ませた客の場合にはナンバープレートを再び認識して、自動的にゲートをあけるという仕組みなのである。恐るべし森ビルグループ、駐車場にまで、アマノ社の最新技術を導入していたのである。
プライバシー保護の観点からは、そのナンバープレートと紐付けられた入出庫データがどの様に管理されているのか、余計な心配をしてしまう部分があるが、ユーザーの利便性・管理者の中長期の管理経費削減には、有効なシステムなのだろう。
定期的な駐車場利用者の場合には、やはりこのパターン認識を利用して自動的にゲート開閉を行い、Sony の Felica カード (JR Suica のコンタクトレス・カードと同じ技術。)による精算なども導入している様だ。
六本木ヒルズは、多くの場所に、最新テクノロジーを潜ませている。実際に体験してどんなものか、使ってみるとその実情が良くわかる。
尚、Tips だが、ヴァージン・シネマズのレイトショーを利用すると、2時間まで駐車場が無料になる。駐車券と映画チケットを、ヴァージン・シネマズ内のインフォメーション(総合案内)のカウンターに持っていって、ディスカウント・クーポンをもらおう。映画終了後は混雑するので、映画上映前にこの手続きを行うとスマートに出庫が可能となる。
Posted by minami at 5 25, 2003 09:12 PM | TrackBack日本ではどうなのか分かりませんが、アメリカではこの手の技術を使って、高速道路の混み具合を測定しているそうです。高速道路上の離れた2点を、同一のクルマが何分で走行しているかを求めているそうです(Surveillance Nation: Technology Review)
Posted by: nob seki on 2003年05月25日 22:12Matrix を見た後だから、でもありませんが、自動車も含め、機械がいろいろなものを管理出来てしまう社会に、確かになりつつある、ということでもありますね。
最初はどんどん利便性が上がって人間へのメリットが高くなるわけですが、六本木ヒルズの駐車場にしても、米国で導入されているシステムにしても、警察が防犯のためと称して高速道路や首都圏のあちこちにおいているナンバープレート読み込み機にしても、データを使う側がその使い方を誤ると、あるいはシステムに脆弱性があると、今度はマイナス面が強くなる、と。
マトリックスでは、システム化され、コンピュータ・ネットワークの導入が絶え間なく進むネットワーク社会の中で溺れそうになる生身の人間を憂うアンチテーゼというスパイスもストーリーに織り込まれていますが、自分で気が付いていなかったところで既に自分の車のナンバーはシステムに格納されていた、ということに、ある種の興味とともに、不安を抱いたりしたのでした。森ビルさーん、データのプライバシー保護は、大丈夫ですか?ここまで便利にするなら、アマノさんとともに、プライバシー・ポリシーも公表すべきなのでは??
Posted by: minami on 2003年05月26日 08:07このシステムがあれば、じきにクルマの移動経路が簡単に分かりますからねぇ。裁判所からOKが出れば、警察は過去のデータにアクセスできる、なんてのは、すぐにでもやってきそうな(ヤな)社会ですね。
Posted by: nob seki on 2003年05月26日 15:52今は自動車のナンバープレートの認識・経路トラッキングが問題になっていますが、人間の顔の認識技術も、バイオメトリックス技術の進歩で安く・速く出来る様になっている様ですので、Web Cam 的なものが世の中に増えてくると、個々人の移動経路も簡単にトレース出来る様になってしまうのでしょうね。
世の中のマトリックス化は、確実に進展しているかも!?
Posted by: minami on 2003年05月26日 16:06関さんの書かれているようなナンバープレートを認識して車の移動をトラッキングするシステムは日本でもずいぶん前から稼動しています。「Nシステム」でググってみてください。
以前は「所要時間を計測するためのシステムだ」という建前を通していたのですが、オウム真理教の一連の検挙のときに、このシステムを使って容疑者のクルマの移動を捕捉していたということが公にされました。警察はどのナンバープレートのクルマがいつどこに移動しているかをシステマティックにトラッキングする仕組みを何年も前から持っていて、実用中というわけです。
マトリックスというよりも、マイノリティ・リポートの世界ですね。
うーん、ということは、中央高速の複数地点の N システムの記録を調べると、ひぐちさんがこれまでに何回とんかつ・めぐろを訪問されているかが、わかってしまったりするわけですね。
ちなみにワタシは今、joi.ito.com のブログで、弊社社長のフィンランドでの活動状況をトラッキング中です。こっちは自主的なので、全く問題ないわけですが。数日の滞在なのに、もう mac.com に写真アルバムまで出来上がっている。(笑)
そのうちに、ウマイとんかつ、食べに行きましょう。
Posted by: minami on 2003年06月16日 19:05そうですねー。中央高速のNシステムは上九一色村あたりでのトラッキングの実績もバッチリですからねー。
有楽町の繁、昼時空いてるといいんですけどね(スレ違い)。
Posted by: ひぐち おさむ on 2003年06月16日 19:59