6 07, 2003
CLIE PEG-NX73V で SD Memory Card を試す

Sony のメモリーカード、といえば、Memory Stick、と相場が決まっている。Sony の製品は Vaio など一部 PC 製品を除いては、対応 Memory は Memory Stick しか無く、こうした囲い込み戦略を嫌うユーザーは Sony の独自路線型の商品を買うのはためらいもあるだろう。

本日発売された、CLIE PEG-NX73V で、Sony はやっとその呪縛をちょいと解いてくれた。この新型 CLIE は、やっと CF Memory Card に対応してくれたのである。CF スロットは PHS 通信カード対応の為にこれまでも装着してきた CLIE だが、Memory Stick マーケティングの為もあってか、CF Memory には対応していなかった。それが、やっとのことで対応。その使い勝手やいかに。せっかくだから、CLIE で SD Card も使ってみよう。Exilim で撮影した画像を、CLIE から Moblog に Upload する、それには SD 対応も大事な要素だ。そんな実験がしたくて、NX73V を購入.....

....という目的だけで勿論 CLIE を買うわけでは無く、理由はいろいろあるのだが、とりあえず CLIE 上での SD Card の使い勝手をまず調べてみよう。そして NX73V の使用感全般も。

NX73V で SD Card を利用するには、Panasonic の SD 用 CF アダプターが必要となる。CLIE の HP では対応 CF カードには記載されていないが、装着してみると無事認識、動作した。

しかし、同様の事を試そうと考えている方は、ここから注意して読んで頂き度い。NX73V では、CF Memory Card に対応する、アプリケーションは限定されている。たとえば、Exilim で撮影したデジタル写真は、CLIE のデフォルトの画像 Viewer である CLIE Viewer では CF/SD からは読み込めず、CF/SD の JPEG 画像は CF にも対応するアプリの Picsel Viewer で閲覧しなければならない。これは Exilim 画像の CLIE 経由 Moblog にはちょっと面倒だ。CLIE Viewer なら CLIE のメールアプリケーションと連動するので画像の添付・送信が一連の動作で行えるが、Picsel Viewer からはそうもいかない。

ということで、CF Memory Card や、SD Card も NX73V で読めることは読めるのだが、アプリの対応度合いが低く使い方は限定的になる。

と、以上は多少 PDA マニアックな記述を多くしてしまったが、NX73V 自体の使い勝手は悪く無い。悪く無いどころか、これまで多種の CLIE を使ってきたが、CF 型PHS 通信カード対応機種としては CLIE 史上最もコンパクトで、すっかり気に入ってしまった。

筐体のコンパクトさだけを見ると TG50 などの方がスリムで良いのだが、やはり Air H" など CF の通信カードに本体だけで対応するのは魅力的だ。NX73V 本体装着のカメラは 31 万画素なので、130万画素の高機能カメラを必要とする方は今月末に発売される NX80V を待った方が良い(ちなみに本体メモリ容量も、NX80V では 32MB と倍増。)が、つや消しブラックの筐体が気に入ったら、NX73V も良い選択だ。厚みも大きさもひとまわり小さくなった NZ90V、そういう印象がある。前機種の NX70V と比較しても、画面の大きさはそのままに縦の長さが短くなり、CF カードの挿入スロットも開閉式になって、携帯性は抜群に上がっている。

電池の持ちも、良くなっている。TG50 の標準的な試用可能時間は11日だったが、NX73V では14日に伸びている。実際に Air H" カードを装着して通信していても、電池の減りはそれほど早く無い印象だ。

CF カードを差し込む開閉するスロットは、ちょうど DV カメラのカセット装着口の様な精巧さで、緻密な出来だが、やや華奢な印象もある。Air H" カードを装着しっぱなしで使うユーザーは、ウレタンケースなどに本体を入れておく方が無難かもしれない。また、前述した Panasonic の SD-CF アダプターは、NX73V から引き抜くときに、なぜかひっかかりがあることが多く、この華奢な CF スロットを壊さない様に押したり引っ張ったりしながら恐る恐る取り出すことになるので、それも注意が必要。もともと Sony では対応 CF カードにこのアダプターを含めていないので、各個人のリスクで試す必要がある。

当初使い勝手を心配した内蔵キーボードは、キートップの高さがあまり無いので他機種に比べると押し味は劣るが、とても使いにくい、というほどではない。これは個人差があるだろうが、当方はこれで十分使えると納得出来た。TG50 の様にバックライトが点灯するギミックも、暗いカンファレンス会場等でのタイピングを可能にするものなので好ましい。

31万画素カメラは、NX70V と変り映えせず、それ故に130万画素の NX80V を待つ方が多いだろうが、31万画素故のサクサクとしたシャッター間隔(撮影後のメモリーへのセーブ時間は極めて短時間。)はやはりメリハリがあって良い。NX80V の画質は銀座の Sony Plaza に実機が展示されているのでそこで試すことが出来たのだが、NX80V を使った上で NX73V で良いかな、と当方は判断。130万画素カメラに、あまり多くの期待をするよりは、200万画素超の Small デジカメとこの NX73V をセットで活用する方が、当方のスタイルには合っているとの結論。31万画素カメラは、室内での撮影は比較的得意でそれなりに美しい画像が撮れるのだが、日中の撮影や遠景の撮影にはややボケが出るところがある。その欠点をわかって活用出来る方なら、NX73V で十分。何より、このブラック・カラーにひかれるのなら、シルバーの NX80V を待つことは無いだろう。

16MB のメモリーでも、Blog サイトの閲覧などは NetFront 3.0 で余裕でこなせる。文字表示時の行間に余裕が設けてあるせいか、最新の Zaurus SL-C750 よりもこちらの方が Web ページの文字は読みやすい印象があるから不思議だ。TFT の液晶そのものは、Zaurus の方が輝度が高くずっと良いはずなのだが。

ソフトウェア部分での最大の変化は、「デクマ手書き入力」という、日本語手書き認識ソフトの ROM 導入。試してみると、英数字の認識なら Graffiti の方が認識しやすく使い易い印象だったが、カナ、漢字の認識はなかなか高性能。かなり悪筆な当方の急いで書いた文字でも、ちゃんと認識する。キーボードがついているのでそちらからの入力がどうしても多くなる NX-73V だが、ターンスタイルでキーボードが画面下に隠れている時に急いでインプットするには十分な機能だ。文字種別にカラーを変えているので、認識間違いがあった場合の訂正も非常にやりやすくなっている。気配りが行き届いた手書き認識ソフトで感心。

Memory Stick スロットを上部から側面部に移したので、その分スタイラスを収納するスペースが無くなり、伸縮式の極小スタイラスが採用され使い勝手はあまりよろしくないが、本機ではスタイラスを使う機会はそれほど多くないだろうから許せる範囲。

これまでのクリエの良いとこ取りと言える、バランスの良いクリエ。それが NX-73V 、そして今月末発売の NX80V の両機種の共通点。NX70V / NZ90 ではちょっと大きく重いな、と感じた方は、是非店頭で触ってこの絶妙なバランスをお確かめ下さい。CF カードの利用制限など、万能では無いクリエですが、実用的です。もちろん、MovableType の Entry も、Mobile でこなせます。

Posted by minami at 6 07, 2003 11:42 PM