October 20, 2002
ラーメン戦争

koryu akasakamitsuke small.JPG

赤坂見附駅の近くに、唐辛子入りとんこつラーメン、康竜が出来たのを見つけたのは、最近のことだった。やや甘めのとんこつスープに、旨みのある唐辛子の組み合わせ

食べる前から、オヤ、と思う。そう、この店のオーダーシステム、お客様お好み表で、麺のゆでかたの硬軟、スープの濃い薄い、4種類のトッピングの選択、辛さの調整をオーダーの前に行う...ちょっと前に食べた、六本木は旧防衛庁近くの「あの店」、とあまりに手法が似ているのだ。HP を調べると、そこには訴訟沙汰にまでなった本当のラーメン「戦争」があった。

一蘭は、福岡から最近関東にも店舗を広げつつあるが、康竜のマネにはほとほと頭に来たのだろう、今年4月に、訴訟という手段に出ている。

スープの味も微妙に違う(康竜もまずくはないが、スープの味の深みがちょっと足りない様に Kuma は感じる。)し、一蘭のウリである、ひとりひとりが食べるスペースがカウンター上のパーテーションで区切られた「お一人様仕様」になっている点(これで女性一人でも安心してラーメン屋に来ることが出来る。)までは、康竜もマネしてはいない。普通のカウンターだ。

しかし、顧客の好みを事前に記入するオーダーシステム、そして辛子ダレと甘目のとんこつスープの組み合わせ、カウンターの中の目隠しにもなる赤いのれん、セルフサービスのおひやのサーバー、替え玉のオーダーをランプで知らせるシステム、うーん、どう考えても似すぎている。しかも、康竜は目黒発祥で東京にだけ支店があり、本場福岡から来ているわけでもなく、かたや一蘭は創業昭和35年(!)である。これでは、のれん分けでもないので、訴訟される康竜に分が悪い状況だ。

こうしたビジネス・モデル的な模倣の裁判は、果たしてどういう形で決着が付くのだろうか。最近の事例では、ユニクロを展開するファーストリティリングが自社の店舗レイアウトやプライスカード、商品展示方法等を模倣したとしてダイエーのカジュアル衣料品売り場 PAS を不正競争防止法に基づき使用中止を求めて仮処分を訴えた事例が記憶に新しいが、その結果もやや玉虫色に決着した。訴訟から10ヵ月後の今年6月、不況で苦戦するファーストリティリングが、ダイエー店舗への進出交渉を再開することで、訴訟を取り下げたのだ。結局、当初は日本では画期的、とも言われたこの訴訟も最後にはオリジナリティーが消え、資本の論理の方が優先してしまっている様に見える。(ファーストリティリングは最初から交渉材料にしたいだけだったのかも、しれないが。)

この訴訟では、一蘭は老舗とは言っても、大企業では無いし、和解するメリットも薄いのかもしれない。ラーメン戦争の決着、しかと見守る必要がある。ラーメン好き的には、味やサービスで切磋琢磨してくれる分には大歓迎だが、ここまで人のアイディアを使っているとなると、問題を感じざるを得ない。

赤坂見附に開店した康竜の話に戻ると、一蘭との裁判に敗れて万が一閉店しても、申し訳ないがとても残念、というほどのラーメン屋では無いが、昼時になると長蛇の列で並ぶ気にもならない近隣の人気ラーメン店じゃんがらラーメンの格下バックアップ的な位置づけとしては、細くて硬い麺はマアマアだし、使えるところがある。赤坂近辺のラーメン屋として試され度い方は、お早めに.....

Posted by minami at October 20, 2002 03:43 PM | TrackBack
Comments

minamiさん。
やっぱり、康竜でましたね。この間、赤坂歩いていて「あれ?」って思いました。私は、実は、康竜@新宿にはじめていったときに、個人的には、あまり好みではなかったですね。
 おっしゃるとおり、訴訟がおきてます。スタイルからテイストにいたるまで、そっくりそのままに似せていますね。店構えも似てますよね。(味は、似せようとしている感じですが)
 はじめて、一蘭にいったのは、六本木でした。でも、明らかにテイストは、一蘭の方が個人的には好みです。はじめて六本木店にいって、思ったことは、麺とスープが明らかに違いますね。麺は、バリカタを注文してももっちりとしていて、明らかに他の博多ラーメンとは、異なるように思います。スープは、いわゆるとんこつくささもなく、洗練されたとんこつで、非常に濃くとまろやかさを兼ね備えており、一蘭秘伝のとんがらしは、そんなスープにパンチを効かせています。(最近ではとんこつ臭い博多ラーメンが少なくなりさびしい思いをしてるのは私だけかもしれませんが。個人的には、田中商店@足立が好きです。)替え玉を注文するとあのチャルメラがなり、戦後の焼け野原にラーメン屋の屋台が現れ、人々の心を和ませた風景が目に浮かんでくるようです。
 一蘭は、沖縄出張のまえに、偶然にも福岡によることがあり、一蘭@本店と一風堂@本店によりました。一蘭は大行列でしたよ。スタイルとテイストともに、六本木店と同じ味が楽しめました。ラーメンは、同じ名前でも作り手によって味が微妙に違うものですが、ここではそれを感じませんでした。徹底した社員教育により、後世にこの味を引き継いでいくとの心意気がその味から想像できます。残念ながら、沖縄へのフライトの時間が迫っていたこともあり、昭和25年からはじまった長浜屋にはいけませんでした。(博多ラーメンでは、現存する最古のラーメン店です。)
 そういえば、東京発のとんこつラーメンといえば、minamiさんも書いているじゃんがららーめんで、秋葉原が本店です。ここも店により味が異なります。じゃんがら自体あまり好みではないですが、個人的には、原宿店がお勧めです。

ラーメンやユニクロにかかわらず、知的財産権というか工業的所有権というか。アイデアを権利にすることがこれから重要に成ってくると思います。どういうルールを引いて誰に権利を帰属するか非常に難しいですね。(青色発光ダイオードの裁判には、ショックを受けたと同時に法の改正が必要と感じました。証券取引法と特許法の改正になるかとおもいますが。国会では、この秋の国会で知的財産基本法を成立させるようです。手の打ち方が遅すぎますねぇ。知的財産が海外に流出しますよ。らーめんもそうなりますかねぇ。)

Posted by: toniyan on October 21, 2002 01:07 PM

Toniyan さん、再び詳細な解説とコメント、有難うございます。本当に、参考になります。

一蘭は、お一人様仕様のブースの作りやオーダーシステムに目がいきがちですが、やはりその伝統が作り上げた唐辛子の秘伝のタレやスープに真の競合優位性があるのですね。プロダクトの強みがあって初めて、その周辺サービスと一体化し、強い差別化要素になる、そんなところを感じます。

康竜の模倣は、表面上のサービスや店内内装などだったわけですが、問題は一蘭が東京進出のスピードを上げていない現状、康竜の方が東京の繁華街を中心に急速に出店してしまうと、一蘭を知らない東京のお客様の多くは、康竜がオリジナルと勘違いしてしまう...そんな危惧があって、一蘭も訴訟に踏み切ったのでしょうね。

いずれにせよこうした部分の知的財産権が、どう守られ得るのか、他業界の出来事とは言えその行方が気になります。

でも、こんなことを書いているうちに、また一蘭のラーメン、食べたくなりました。横幅が大きい Kuma 体型の私としては、一蘭の狭いブースだと身体が納まらず、チト窮屈なのがつらいのですが...(笑)

Posted by: minami on October 22, 2002 12:56 AM

minamiさん
一蘭の例からやはり、スープな麺(コンテンツ)が一番重要であり、他との差別化を如何い図るり、競争力をいかに持つか維持していくかが勝負ですね。康竜の件は、まだ、裁判中ということもあり、コメントは差し控えますが、一般的に有名店や流行の先端を走るもの(情報、ビジネス特許もそうだと思いますが)常にマネをされると思います。有名ブランドの模造品が横行するように、有名人がものまねされるように、ある意味トップランナーとしての宿命だと思われます。ただ、これが良いかどうかは別でやはり、一定のルールが必要ですね。(ルールがあっても無視する人が多いのが世の常ですが)

 21世紀に入り、ラーメン業界も変わりつつあります。少し前はラーメンといえば、男性ばかりでしたが、いまでは、私以上に食べている女性たちがたくさんいることに驚かせれます。次のフェーズは何かなといつも考えますが、ユニバーサルな考え方をもったらーめん店が望まれているのかもしれません。あくまでも主観ですが、らーめん屋ってどうも入口が狭い。食べるところも狭い。入口に段差があるなどどうも気になることも多いですよね。(あの狭さがらーめんやって感じもするんですが)しかし、車椅子などやおとしよりにもっとやさしいラーメン店があってもええんちゃうかなとおもってます。私の知る限りは、ないように思います。最近は、カフェなどとミックスした考えで女性を巻き込んでいる和歌山ラーメンの「まっち棒@池尻、都立大学、三田」なども有名ですが、個人的には、「その先」を見てみたいです。お世話になってる「あの方」もここのラーメンが一番好きなようです。
 またまた、余計なことを書いてしまいましたが、コーヒーブレイクの合間にちょこっと書かせていただきました。

Posted by: toniyan on October 22, 2002 02:26 PM

minamiさん。ちょっとすみません。気になったんですが、linksにあるGourumet BlogとこのGourumet Blogは、うまくリンクしないんですか?ここにコメントを書いても反映されないですよね。

Posted by: toniyan on October 22, 2002 05:46 PM

Toniyan さん、現在のところは本 Blog と Gourmet Blog、ダイナミックにリンクして居りませんので、こちらのコメントが先方側に反映されません。説明不足ですいませんでした。

確かにコメントをどちらに書いたら良いか、迷われる部分はありますよね。失礼しました。

今後は出来るだけ、ダイナミックリンクをするか、どちらか一方に記事が載る形にしようと思います。

Posted by: minami on October 22, 2002 06:28 PM

ユニバーサルデザインを、ラーメン店にも導入すべき、これは本当に優しい心を持った方でないと持てない視点ですね。

確かに、ラーメン屋の店舗は、坪当たり収益率向上のためもあるのでしょうが、本当に狭すぎる。これでは車椅子など、入る余地も無いですね。試行錯誤の末に完成したスープなど、味でのもてなしは出来ていても、サービス面でもてなしてくれるラーメン店は、本当に少ないかもしれないですね。

ラーメン店が進化する3年後、5年後、そして10年後の姿。いろいろ考えると、新しい仕事の種が見えてきます。既存の枠にとらわれない発想が、やはり大切ですね。

ところで、「ええんちゃうかな」で、「あの方」と同じく関西御出身かと思いきや、Toniyan さんは関東の方なのですね~。あまりにタイミング良い関西弁なのでびっくり。

Posted by: minami on October 22, 2002 10:36 PM

minamiさん
書きすぎかなと最近思うので、すこーしだけ控えめにコメントを書きます。

 もちろん、生活があるので、収益率向上のための店舗は必要です。(もちろん、生活のためだけじゃないですよ。)ただ、市場のターゲットを1つの側面から見た場合、男性層(中高年含め)→若者層→女性層へと時代を経ることに広がってきています。これを非常に大雑把ならーめんの変遷から見ると醤油系(男性層)→こってりギトギト系(若者層)→素材系(女性層)(体にやさしい。太らないなど)となります。いま、女性が1人でも立ち寄れるラーメン屋が増えつつあるのであれば、仮に次は、何かと考えた場合、違う切り口の見方で市場を広げても面白いかなと思います。(こんなことをいってますが、マーケティングのマの字もしりませんので、あたってないかもしれません。いつも単なる思いつきですから。)

>ラーメン店が進化する3年後、5年後、そして10年後の姿。いろいろ考えると、新しい仕事の種

 本当にそう思います。ただ、懸念していることは、「ラーメンが庶民の食べ物ではなくなる!?」かもしれないとの思いもあるんです。
 私がラーメンという食文化に魔力に魅せられた1つの理由は、「大衆の中で根付きかつ既存の考え方にとらわれない、常に進化を遂げている不思議な食べ物」「しかも歴史も浅い。なのに、此れだけ根付いている魅力って何?」と思ったからです。らーめんのほとんどは、1000円でおつりがくる。その範囲内で誰でも楽しめる食べ物。他にないんじゃないでしょうか。高いお金があれば、いくらでも美味しいものが食べられるが、ある程度同じ値段で味にうまい、まずいがあり、同じ土俵で競争している市場はありますかね。これは面白いと思ったんですね。そのきっかけをつくってくれたのが荻窪にある「春木屋」なんですが、そのスープをすすったときから、この世界は、只者ではないと思い、はまってしまったんですね。ぽりぽり (f*^_^)
 しかしながら、近年、らーめんの値段が徐々に高くなってきてるんです。江戸時代に庶民であった食べ物「お寿司」などは時代を超えて引き継がれてきてますが、高い食べ物になっていきました。その道をたどるんではないかとも思ってます。お寿司同様、回転寿司に代表されるたリーズナブルなお寿司もあり、2極化してますが、らーめんもその兆しが見えていることを考えれば、いずれは、もっと明確に2極化し「らーめん」から1つの「料理」に進化していくのかもしれないですね。
 控えめに書こうと思いましたが、ついつい長く書いてしまいました。

Posted by: toniyan on October 23, 2002 12:56 PM

おお、やはり春木屋でしたか。かくいう私も、荻窪ラーメンの中ではダントツに春木屋ファンでした。最近は中野の地元ラーメンがあまりに充実してしまって、荻窪に足が伸びていないのですが。でも、当方が好きだった麺はチャーシュー、ワンタンも入った、所謂「全部入り」で、すでに1000円を超えていましたが...ぽりぽり (f*^_^)

デフレの時代、ラーメンの価格は、あまり上げて欲しくないですねぇ。庶民のグルメのエースで、居つづけて欲しいです。

家族もちの私としては、家族で入りやすい、美味しいラーメン屋をまずはもっと増やして欲しいですね。カウンターで横一列、ではやはりなかなかコミュニケーションにならないし落ち着かない。ファミリーレストランの延長の店や、普通の中華料理屋なら家族で入れますが、是非有名ラーメン店のアレンジのひとつとして、そういう店ももっとあって欲しいですね。

Posted by: minami on October 23, 2002 06:55 PM

minamiさん
春木屋は、シンプルな中に深さがあり、ある意味、ごまかしのきかないですよね。店の前に立つとなんともいえない魚のおーいしい香が漂ってきて食欲をそそりますよね。

デフレ時代にらーめんがはやるんですよね。安いお金で美味しいものを提供してくれる庶民の味方の現れですねきっと。

そうですね。家族で入りやすいラーメン屋も必要ですね。依然に比べればかなり多くなってますけどね。

Posted by: toniyan on October 24, 2002 10:02 AM

it's true

Posted by: alveo on January 23, 2005 10:49 AM
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